動物性天然繊維ってなんだろう?
突然聞かれたら一体何のことを言ってるのって思いませんか?
アパレルで働き始めたら色々覚えることもたくさんありますよね。
素材についても簡単でいいので覚えておいてください。
会話の中でもし素材について聞かれて困らないように。
豆知識程度でもいいのでぜひ読んでみてください。
こちらでは繊維を糸にして1枚の生地になるまでの過程や
植物性天然繊維についても解説しています。
動物性天然繊維って何?
動物性繊維とは、言葉通りで動物から取れる繊維のことなんです。
そのまんまです。
ただ動物といってもたくさん種類もありますし、羽毛やカイコも(シルク)動物性繊維です。
今回は動物性繊維の種類・特徴などを解説して
いきます。
メリノウール
一番有名でみんなが知っている動物繊維だと思います。
ウールは様々な国で飼育される多種の羊の被毛からなる繊維です。
毛根がうろこ状になっていて、うろこ状のすきまに空気が入るので暖かさを保つ。
動物の体の部位によって毛の細いところと太いところがあり、細いほうが高級な糸になる。
羊の被毛のこと。(メリノ種)
細さや長さ、色、光沢、うねり、柔らかさ、
弾力性、しなやかさなどによって
様々な種のウールが識別される。
メリノウールは、毛のうねりが豊かなほど繊維が細く、衣類用の生地の市場ではより貴重で上質なウール。子羊はラムウールと言われています。
特徴
夏は、涼しく冬は暖かい。
夏のウールは梳毛と言って長くて細い繊維。
冬のウールは紡毛と言って短くて太い繊維。
高い吸収性(体の湿気を吸収して外へ向かって蒸発させる)
ウールは暖める以外にも、吸水性があり静電気も蓄えず引火性も低い。
わたしは、静電気が本当に怖いのでこれが一番うれしいかな。
ただデメリットもあって、生地が硬くなりやすく毛玉ができやすい。
虫に弱い。
カシミア
カシミア山羊 1頭で200gしか取れないため高価。
インドのカシミール地方に由来。
飼育されている山羊で大きさは中くらい。
主に中国、モンゴル、イラン、アフガニスタンから由来。
毛の収穫は毎シーズン毛の生え変わる時期によって行われて(年2回)、コーミングして硬い体毛の中にある柔らかい産毛を刈り取るので、とても手間がかかる。
カシミアにも異なる質のものが存在し中でも一番高価なのは中国産(中国で産まれた山羊)
ベビーカシミアは、生後1年にならない仔山羊から採取される産毛。
超貴重です。1頭から約30gしか取れません。
特徴
中国産のカシミアは長い繊維を持つためとても貴重。繊維はとても細く15ミクロンで柔らかく優れた弾力性と最上の断熱性を持つ。
独特の光沢
油脂が繊維を覆っているのでぬめりがあって
肌触りが良い
デメリットは、柔らかいため毛羽立ちやすい。
毛玉になりやすい。
虫に弱い。
キャメル
ラクダ科に属する同名の反すう動物の毛。
フタコブラクダです。
この動物は表面には普通の毛、その下に柔らかく防水性のある細い毛を持つ。
春には毛が抜け、そのかたまりがカラダ中や首にぶら下がる。
手でつかみ取るか、地面から拾い集める。
一番良いのは大気中の有害物質の影響が少ない子供から取れる物。
中国北部からモンゴルに生息。
特徴
ラクダの毛はコートなどの等級な生地に使用され通常は紡毛を縮絨し毛は柔らかく仕上げられるため軽く暖かい。
さし毛は固く、産毛は柔らかい。
ぬめりがあり光沢感がある。
吸湿性がある。
取れる量が少なく貴重なため高級品
デメリットは、毛足が長いため毛乱れが起きやすいため、毛玉になりやすいので着用後はブラッシングで整えておく。
モヘア
トルコのモヘアという地方で生息していた純白で光沢のあるモヘアはアンゴラ山羊の毛から作っている。
モヘアの質は細さで表され専門用語ではミクロンと呼ばれている。
モヘアの繊維は質の上下を含め23~28ミクロンの間となり、毛の刈り込みと繊維の選抜をして加工されるため絹のような柔らかさと光沢が出る。
モヘアの生地は最終的に施す加工によって様々な表情を出すことが可能になる。
特徴
色も輝きがあり保管も容易でとても弾力性があり縮みもない。
軽量でありながら、保温力に優れている。
高級繊維。
フエルト化しにくく、丈夫。
吸湿性がある。
デメリットは、細くしなやかな毛質のため
毛が抜けやすい。
水に弱く特に汗に弱く縮みやすい。
摩擦に弱く静電気が起きやすい。
毛玉になりやすい。
アルパカ
南米アンデス山脈の高地に生息している。ラクダ科のアルパカでとてもかわいい動物です。
あの目が可愛い。
光沢感があり、柔らかく保温性、保湿性に優れている。
ベビーアルパカは生後3ヶ月までのアルパカの毛を取っているもの。
細い毛が特徴で、柔らかくなめらかなのでチクチクしない。
特徴
アルパカの毛の中が空洞になっているため暖かい空気を溜め込むことができるため防寒に優れて耐久性もある。.
なめらかでシルクのような肌触り。
光沢がある。
保温性に優れている。
水に強い
デメリットは、アルパカは肌の弱い人にはチクチクする。
毛玉ができやすい。
虫に弱い。
スーリーアルパカ
アルパカはラクダ科に属し中でもスーリー種は珍しくとても貴重で上質な毛です。
全世界に生息するアルパカの約1%。
軽くシルキーで暖かく非アレルギー性の繊維。
毛の刈り込みはは年に1回。
スーリーの繊維は絹のようで光沢があり伸ばすとカール状になり動物の動きに合わせて揺れる美しい波を打つカーテンのようになる。
繊維からは暖かく柔らかい貴重な生地や糸が作られる。アルパカの中ではトップクラス。
特徴
軽くシルキー。
暖かく弾力がある。
非アレルギー。
シルクのような光沢。
最高級。
色々な素材って、生地ってどうやって出来てるの?
1枚の生地になるまでの過程
繊維を糸にして1枚の生地になるまでの過程
動物性天然繊維
(分泌物と、毛根の繊維の2つにわかれる)
植物性天然繊維(種、実・靱皮、葉)
繊維→糸→縦・横2本で織られた生地を布帛といいます。
繊維→糸→1本の糸を編んでいくのをニットといいます。
生地は縦の方向に走るタテ糸(経糸)と水平線に走るヨコ糸(緯糸)の交差により成形される。
タテ糸 反物の長さの方向の縦線
の糸。
生地の高さを決定付ける
ヨコ糸 タテ糸に対し垂直の糸で
生地の高さを成形する。
通常ヨコ糸はタテ糸に比
べて撚り(より)が甘く
強度も劣る。
異なった方法の糸の交差によって織られる
織りの種類
織り方も色々な織りの種類があって、平織り・綾織・朱子織り・綾織り・バタビア織り・ジャガード織り・ヘリンボーンなど織り方で全く違う雰囲気に変わる。強度やしなやかさも全然違う。
シルクってどんな風に出来てるの?
動物性繊維
シルクとは蚕(カイコ)と一般に呼ばれる鱗翅(りんし)類の昆虫が2つの腺から排出する分泌物(まゆ)から作られます。
カイコは桑の葉を栄養分として天然の状態だと年に1度の繁殖で、室内で飼育されているカイコは3回繁殖します。
カイコは600Mから2000Mの長さで8層以上になった細い絹の成分を排出し、ここまで長い繊維は他にはないのでシルクは高価になります。
最も優雅できれいな色に染まるのが特徴。
シルクの特徴
- 唯一の天然の長繊維
- 汗を蒸発させる
- 程よい断熱性
- アレルギーを起こしにくい
- 光沢
注意すること
汗で繊維を傷め、変色することがある。
洗濯、高温でのアイロンは不可。
年数が経つと黃変する。
コットンってどんなふうに出来てるの?
植物性繊維
コットンは植物の綿から採取されていて、1年中使用され、最も多く使われている繊維。
コットンの原料になる3cmくらいの柔らかい繊維で種を覆っていて、熟成期に手や機械で摘み取っている。世界で一番多く使われている繊維。
原産国は主にアメリカ、中国、インド、エジプト
コットンの特徴
- 通気性が良い。
- 洗濯が楽。
- アレルギーを起こしにくい。
- 静電気が起きない。
- 弾力性があり強度もある
- 長くて細い糸は高級綿・光沢がある
注意すること
プリントがしてあったり、デザイン性のあるものは洗濯ができないものもある。
乾燥機にかけると縮みやすい。
リネン(亜麻)ってどんなふうに出来ているの?
植物繊維
リネンは亜麻科の植物潅木から採取される繊維です。
亜麻は80cm~120cmの茎を持ち、枝が少ないものは繊維が途切れていないため高級とされています。種まきから短い期間で収穫出来る植物です。繊維は細くて短く風合いがしなやか。
原産国中国、ポーランド、ルーマニア、フランスオランダ、ベルギー。
他にもヘンプ・ラミーという麻の種類もあります。(ラミーは天然繊維の中で一番シャリ感があり、色は白くてシルクのような光沢がある)
茎を水に浸す→柔らかくなったら中の繊維を取り除き乾かす→ハンマーなどで砕く→コーミング→様々な長さの繊維を集めて糸にするために均一ではない。
リネンの特徴
- 保湿性が低いため、夏用の繊維向き。
- 通気性が良く、衛生的。
- アレルギーを起こしにくい。
- ハリ・コシがある。
- 爽やか、湿気をよく吸い取る
- 強度がある
まとめ
いかがでしたか?
今回はかわいい動物たちの毛が私達の洋服となったりマフラーや靴下や、寝具用品などいろいろな物になっているってよく考えるとなんだか不思議ですよね。
化学繊維は安くて気軽な感じですが動物性繊維はありがたい感じがします。
大事に大切に着たいなと思いますよね。
天然繊維についても、どうやって出来ているのかを解説しました。
不思議だな~と思いませんか?
茎、実などの植物や動物の毛根から糸を作り生地となって様々な物が作られているなんて。
本当にすごいなぁ素材って奥が深いなと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。